心もよう

心に素直で、想いのままに~

  ~風のなか~


               

        いつも 
               何かを伝えたくて
               白いページに向かうけど
               いまは 何も考えられない


             いつも
             何かを待って
             気持ちに問いかけるけど
             いまは 何も浮かばない


               いつも 
              何かが欲しくて
               部屋の窓から 蒼空を見上げるけど
               いまは 何も感じない


      いつも
      誰かに会いたくて
      空想の世界に委ねるけど
      いまは 何も出来ない


       だから 風


     心を飛ばしながら 夢を見て
     心を止めて 風を呼び
     心に問いかけ 風と戯れ
     いつか 風を追う


     とんでもなく 遠くへ 
     飛んで
     とんでもなく 何処へ
     さまよう
   
     風のなか~

  ~きっと、何かが~

          


      窓辺に届いた 
       柔らかな陽射し
       
      いつの間に 雨が
      止んだのか 
      わからないけど 朝露が
      雨空を 隠してしまったようで 
      
      ひと息ついた  野花や草木 
       艶やかで瑞々しく 花壇の中で
      煩いほど ざわめいて


        誰か呼んでいる
          誰かが誘っている


       射し込む 光の雫
         目覚めた 杜息
          カセットから聴こえる 謎歌
           淹れたての 甘い香り


       思わず 外に出て
      ほんの 少しだけ 
       朝の景色を 日常から外し 
      思い通りに描いてみたい 


      きっと もうすぐ 
       煌めきの中で 
       何かが
       始まって行く~

   ~夕陽~

          

      あまりにも 眩しいほどに
      鮮やかな茜色で 西空を染めた夕陽が
      光の渦を解き放ちながら 
       静かに 沈んでいく


      きっと
      島並みの 向こう
      遥か 彼方
       水平線の先に 
      隠れ場所があって
      穏やかな波間に 
      ゆらゆら 揺れながら 
      休んでいるのだろうけど
      夜空に すじ雲が
      朱く残り 残り香のように
      煌めいて


       いつもの 散歩道
       夕陽の行方 気にかけながら


      何処までも 広がる天
       風も 山も 雲も 海も 気も
      何もかも 受け入れても
      雄大な蒼穹の果てには 届かない
      何かが 存在するようだけど
      名残りと言う名の 寂しさは
      どうにも出来ない


       歩きながら 
       少しずつ 暗くなりかけて
      建物の陰で 見えなくなった
      幻想の空間に 想いを寄せながら
      眩しかった光りを 追いかけて


      また 何処までも
      歩いて~

  ~今朝の雨~

                            


         しとしと しとしと しんしん


         いつからか 
         春の名残りを
         惜しむかのよう
         降り出した雨
         静かに 静かに
         雨音もなく 降り続く


         いつもと 違う
         何かが違う 今朝の雨
         「令和」を濡らす雨は
         そっと 優しくて
         心に 何かを届けてくれる


         穏やかに
         穏やかで


         祈るような気持ちで
         天を仰いで
         昨日までの自分に 
         別れを告げた


         しとしと しとしと しんしん
         
         濡らして
         新たな 気持ちにさせる雨よ!
         いつまで 
         続くのだろう…か

  ~沈めている言葉~

                                  

      心を 
      言葉で綴りたい
      思いっきり 
      話して見たいけど
      見つからない 
      見つけられない
      その 言葉 
      
      いま
      何故だろうと 
      手繰り寄せ
      心に呼びかける
      何を静めているのか
      
      波間で漂う 微かな
      さざなみのような 小波
      留まれなくなって 
      繰り返す


      ほら
      その 片隅
      もしかしたら 
      話せる言葉は 何もない
      届かないと 
      さ迷っているだけ


      だから
      このまま
      このままで・・・